

|
【疾患名】 くも膜下出血
英名; Subarachoid Hemorrhage
略語 ; SHA
【病態生理・発生のメカニズム】
くも膜下出血の主な原因は、脳動脈瘤の破裂であり、それ以外に脳動静脈奇形
(若年者に多い)や、外傷性がある。
脳動脈瘤は、脳底動脈輪(ウィリス動脈輪)にできた動脈瘤の破裂であり、
動脈硬化の延長線上の疾患である。
突然に発症する強い頭痛と吐き気といった頭蓋内圧亢進症状と項部硬直などの
髄膜刺激症状などの意識障害を生じる。一度破裂した脳動脈瘤は、
70%を超える確立で再破裂し高い死亡率を示すため、
手術による脳動脈瘤の破裂防止が必要となる。
重症度の低いくも膜下出血は、手術後の予後がよいが、
手術後の脳浮腫や脳血管攣縮(れんしゅく)といった問題もある。
重症度分類は、「ハント・コスニック(Hunt-kosnik)の分類」を用いる。
脳動脈瘤のサイズは、12~25mmのものを大動脈瘤(Large Aneurysm)と呼び、
25mm以上のものを巨大動脈瘤(Giant Aneurysm)と呼ぶ。
種類としては、嚢状や紡錘状があり、解離性の動脈瘤や細菌性の動脈瘤もある。
【検査】
頭部単純CT
くも膜下腹腔に高吸収域(白く見える)が確認できれば診断がつき、
その後、脳血管造影を行い、破裂した動脈瘤を探す。
ただ、出血が少量であったり、時間が経過している場合は、典型的な所見と
ならないこともある。その場合でも、くも膜下出血が疑われれば腰椎穿刺を行い、
髄液を採取する。出血して間もないくも膜下出血は、血性であり数日たった
くも膜下出血は、キサントクロミー(黄色)である。
【治療】
〔手術〕
脳動脈瘤クリッピング術
〔カテーテル〕
プラチナコイルを使用した脳動脈瘤塞栓術(瘤内コイル塞栓術 GDC;Guglielmi Detachable Coil)
【合併症】
脳血管攣縮
正常圧水頭症
【予後】
再破裂前に根治的手術を行い、術後に合併症を起さなければ社会復帰できる。
二度目の破裂を起すと、高度の後遺症を残し死亡率は70%を超える。
【予防法】
動脈瘤が見つかれば、破裂予防を目的とした手術やプラチナコイルを使用した治療方法がある。
ただし、脳動脈瘤全てが破裂するわけではなく、手術の合併症が全くないわけではないので
予防的手術の賛否は分かれる。動脈硬化に付随した疾患である。
そのため、動脈硬化を起さないような生活習慣を心がけることが予防につながる。
【看護】
くも膜下出血をきたすと、血腫によりいったん止血されるが6時間以内に
再出血する確率が高い。そのため、刺激を避け、再出血の予防と早期発見が重要。
血圧の変動は、再破裂の危険因子であるため血圧コントロールは重要。
突然のことであるため、家族への配慮も重要。
出血後2週間までは脳血管攣縮を起すことがあるため、異常の早期発見が重要。
また、一ヶ月前後に、正常圧水頭症をきたすことがある。
'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:'゜☆
∴・∴・∴・∴・∴・∴∴・∴・∴・
株式会社 ひとりガウン
http://www.hitorigown.com/
青柳智和
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:'゜☆。
♪♪♪
このブログは、看護どっと合言葉
http://kango.aikotoba.jp/ に登録されています
♪♪♪