

【使用上の注意】
1 次の患者には特に慎重に投与すること。
(1) 急性心筋梗塞の患者⇒心筋収縮力の増強により、心筋虚血を悪化させる
おそれがある。(心筋梗塞発症の早期では不整脈が発生しやすくなって
いることもあり、投与後の観察は充分に行う必要があります。)
(2) 心室性期外収縮のある患者⇒中毒が発現した場合鑑別できないおそれがある。
(投与前の心電図との比較は重要です。)
(3) 心膜炎、肺性心、、電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、
低マグネシウム血症等)のある患者⇒少量で中毒を起こしやすい。
(心膜炎、肺性心により心不全をおこしている場合に投与されます。
心機能が低下していますので、注意が必要です。低カリウム血症の場合房室、
ブロックを薬剤の投与により助長させ、心室の自動能が高まるため
心室性期外収縮を引き起こします。高カルシウム血症の場合、
カルシウムは強心配糖体の心筋収縮力を増強させるためQ-T時間*注3の
短縮がみられます。)注3⇒心室収縮期
(4) WPW症候群のある患者⇒副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が憎悪する
おそれがある。(150~250/分の頻拍発作を助長させます。)
(5) 腎疾患のある患者⇒薬剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある。
(腎排泄を主経路とするため、腎機能が低下している中毒を引きおこしやすく
なります。)
(6) 血液透析を受けている患者⇒本剤の排泄が遅延する。
また、透析により血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こす
おそれがある。(低カリウムの状態であると、副作用が増強します。)
(7) 甲状腺機能低下症のある患者
⇒本剤の血中濃度が高くなることが報告されており、本剤の作用が増強し
中毒を起こすことがある。(血清カルシウムの低下はてテタニー*注4として
知られるように筋収縮が正常に行われません。
結果、除脈を助長させることになります。
注4⇒血清カルシウム値が4mEq/L以下となると末梢神経の興奮が高まり、
筋の痙攣がおきる。四肢のけいれん、しびれ感。正常値4.5~5.5mEq/L
(8) 甲状腺機能亢進症のある患者⇒本剤の血中濃度が低くなることが
報告されており、本剤の作用が現弱し大量投与を要することがある。
(甲状腺ホルモンの過剰により高カルシウム血症の状態であると、カルシウムは
強心配糖体の心筋収縮力がまします。過剰投与によりジギタリス中毒を
おこしやすくなります。)
(9) 高齢者⇒一般に生理機能が低下していることが多く、副作用が現れやすい。
2 重要な基本的注意
(1) 投与する場合には観察を十分に行い、過去2~3週間以内にジギタリス製剤、
その他の強心配糖体が投与されていないか確認した上で慎重に投与量を決定する。
(ジギタリス製剤が、他院から処方されているのを知らずに重複して内服して
いたなんてことがないように開始する前に必ず確認することが大切です。
ジギトキシンの場合、消失半減期は正常人で約4~6日とされています。)
(2) 至適投与量は患者により個人差があるので、少量から投与を開始し、
観察を行いながら投与量を調節すること。
(データーによるとメチルジゴキシン〈商〉ラニラピッドは1時間で血中濃度が
最高値(ジゴキシンの約2倍の濃度)にあがります。ジゴキシンは約2時間で
最高値にあがります。
薬によっても違いがあることを頭に入れておくことも大切ですね。)
ジギタリス 3 へ続く
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青柳智和
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