こんばんは。
今日は、わかっているようで意外に難しい「呼吸不全」の診断基準です。なんでもそうですが「定義」をしっかり覚えておくことは重要です。
次の( )内を埋めてみましょう。
呼吸不全の診断基準
Ⅰ 室内気吸入時の動脈血酸素分圧が( )Torr 以下となる( )系の機能障害、またはそれに相当する異常状態を呼吸不全と診断する。
Ⅱ 呼吸不全の型をⅡ型にわけ、動脈血二酸化炭素分圧が( )Torrを越えて異常な高値を呈するものとそうでないものとに分類する。
Ⅲ 慢性呼吸不全とは、呼吸不全の状態が少なくとも1ヶ月持続するものを言う。なお、呼吸不全とは診断されるに至らないが、動脈血酸素分圧が( )Torr以上あり、呼吸不全に陥る可能性の大なる症例を( )準呼吸不全として扱う。
以上の3つである。
なお、「血液ガス」の正常値も知っておく必要がある。
PaO2 臥位 PaO2=
座位 PaO2=
PaCO2 =
pH =
また、呼吸に関する重要な「数字」をいくつか挙げる。こちらも覚えていただきたい。
ヘモグロビン 1分子は( )分子の酸素を運搬することができる。
ヘモグロビン1g/dlが、結合可能な酸素は、( )mlである。
ヘモグロビンが運搬しうる最大の酸素量を( )というが、ヘモグロビン結合酸素は、下記の式で求められる。
ヘモグロビン結合酸素=
一方、血漿中に溶け込む酸素を( )というが、これは、( )に比例し、37℃の血液100mlにPaO2 1Torr あたり( )mlの酸素が溶解する。
計算式 溶存酸素=
ただし、溶存酸素は極微量であり無視してよい。
今日は、少し長くなってしまいました。
が、重要な部分だと思います。おさらいしておきましょう。
答え
呼吸不全の診断基準
Ⅰ 室内気吸入時の動脈血酸素分圧が60Torr 以下となる呼吸器系の機能障害、またはそれに相当する異常状態を呼吸不全と診断する。
Ⅱ 呼吸不全の型をⅡ型にわけ、動脈血二酸化炭素分圧が45Torrを越えて異常な高値を呈するものとそうでないものとに分類する。
Ⅲ 慢性呼吸不全とは、呼吸不全の状態が少なくとも1ヶ月持続するものを言う。なお、呼吸不全とは診断されるに至らないが、動脈血酸素分圧が60Torr以上あり、呼吸不全に陥る可能性の大なる症例を準呼吸不全として扱う。
以上の3つである。
なお、「血液ガス」の正常値も知っておく必要がある。
PaO2 臥位 PaO2=100-0.4×年齢
座位 PaO2=100-0.3×年齢
PaCO2 = 40+-5
pH = 7.40+-0.05
また、呼吸に関する重要な「数字」をいくつか挙げる。こちらも覚えていただきたい。
ヘモグロビン 1分子は4分子の酸素を運搬することができる。
ヘモグロビン1g/dlが、結合可能な酸素は、1.34mlである。
ヘモグロビンが運搬しうる最大の酸素量をO2 Capacityというが、ヘモグロビン結合酸素は、下記の式で求められる。
ヘモグロビン結合酸素= O2 Capacity×SaO2
=1.34× Hb g /dl× SaO2
一方、血漿中に溶け込む酸素を溶存酸素というが、これは、PaO2に比例し、37℃の血液100mlにPaO2 1Torr あたり0.003mlの酸素が溶解する。
計算式 溶存酸素=0.003×PaO2
ただし、溶存酸素は極微量であり無視してよい。
という具合です。
ややこしいですが、実際に計算してみると必ずできるはずです。呼吸療法士の試験にはかなりのかなりの確立で出ると思います。
では、ごきげんよう。
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青柳智和
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